2008年1月の日記:[以前の日記]
 
 
1月28日(月)
 
 
地味な日々

 最近ダイアリーを余り更新していない。譜面書きや家事労働?など地味な日々続きで、ご報告するネタが無いのである。だいたい1年の流れの中で、1〜3月というのは一番動きが少ない。ただ、例年だと5月ぐらいから忙しくなるのが、今年は既に2月なかばからスケジュールが結構詰まってきているので、今のうちに一年分休んでおかねばならない、という考えもある。
 あと、もうひとつ、音楽作業の「OA化」を試みている。これはつまり、譜面を作成したり作品やアレンジのシミュレーションを可能にする、という、恐らく殆どのミュージシャンにとっては「今頃何言ってんだ!!」な内容のハナシなのだが、ギターを弾く以外のあらゆる煩瑣な作業がキライ、という、「職業人」としての根本的資質を問われかねない性質を持つ僕としては、これまでの「ギター一本持っていって片付かないようなあらゆる音楽仕事は自分には関係ない」という態度を改め「譜面ソフト」などに向き合うということは、結構「勇気と決断と時間と根気」の要る作業なのである。
 昨日は、鬼武みゆき講師に家にまで出張授業に来ていただき、4小節の譜面を1時間かけて書くことに成功した。春にはリッパで見易い譜面やデモ音源などを、共演者諸氏の許に持参することになるであろう。
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1月22日(火)
 
 
「五人囃子」

 去年のARIAコンサートの時に妹尾武さんと岡部洋一、ショーロクラブとで「オヤジだらけの室内楽」というライブをやる、というハナシを冗談半分でしていたのだが、冗談からコマじゃないけど、決まってしまった。4月7日、STBである。        
「おやじだらけの・・」というネーミングは、さすがにSTBには合わないだろう、ということで、妹尾さんの案で「五人囃子」というサブタイトルをつけてみたのだが、なあに、出てくるのは「おやじだらけ」であることは変わらない。当日はおやじ臭プンプンな内容の・・、いやいやいや、今まで既にこのメンバーでサントラ4枚を世に出してきているので、その中のベストセレクションをお聴かせしようと思っている。もちろんそれ以外にも、双方のオリジナルアルバムからの曲をショーロクラブ&妹尾武でやることになるであろう。楽しい一夜になると思う。チケット発売は2/22から。先行発売もする予定。
 ショーロクラブのライブといえば、2月25日にもライブがある。これは、チェロの柏木広樹君をゲストに迎えてのもので、場所は青山プラッサオンゼ。去年満員になったのに気を良くしての「2回目」である。今回は柏木ファンだけでもいっぱいになりそうなので、ご予約はお早めにお願いします。(スケジュール欄参照)
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1月18日(金)
 
 
神戸市長田区のサイト神戸にて、EPOさんと阪神淡路大震災復興イベントライブ出演

 神戸の新長田駅付近は、もともと小規模の店舗が並ぶ商店街がが縦横に走っている、那覇の市場通りにも負けないような活気のある地域であった。震災の時に壊滅的打撃を受け、人口の何割かは未だに戻ってきていない。今日演奏するサイトコウベは、震災後に出来た再開発ビルの中の施設。付近一帯は高層マンションをともなう再開発ビルが建ち並び、大きなスケールでは随分復興は進んでいるようにも見えるが、そのまわりの商店街は、残念ながら人通りも少なく、「復興」と言うにはほど遠いカンジである。災害そのものによるダメージもさることながら、一度破壊された「生活」というものを取り戻すことがいかに難しいか、まざまざと見せつけられた。
 リハ終了後、時間がたくさんあったので、ゆっくりと付近を歩き回ってみた。この付近は、神戸の中では、東京で言えば寅さんのウロウロしているあたり、大阪で言えば南大阪のような意味合いのある地域で、下町人情溢れるカンジがあって、神戸出身ながら「クールな神戸」しか知らない僕にとっては、全く知らない神戸の一面を見せてもらった気がした。食べ物にも独特の文化があって、散策中に「ぼっかけ丼」なる看板を発見。早速食してみたのだが、牛すじと蒟蒻の煮込みのドンブリで、美味しかったです。終了後はサイトコウベの入ったビルの一階にあるお好み焼き屋さんで、やはり名物の「ソバメシ」をいただく。これまた美味。シリアスな話をしていたつもりが、何故か食い物ばなしになってしうところが、僕の限界。
1200675049.jpeg ぼっかけ丼

1200675050.jpeg まだまださら地も多い。

1200675051.jpeg ソバメシ。焼きそばとご飯を混ぜたモノ。一人前=ソバの一人前+メシの一人前なので、異常な量。

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1月17日(木)
 
 
大阪某スタジオにて、古謝美佐子さんの新譜レコーディング

 前作「天架ける橋」のレコーディング後、「次のレコーディングの時もよろしくね」と言っていただいていたのだが、その後なかなかレコーディングそのものが進展せず、やっと去年から企画が動き出したら今度はスケジュールが合わず、やっと今日、大阪でスケジュールが合ってのレコーディング。
 「天架ける橋」は、あの名作「童神」の入っているアルバムで、古謝さんという、僕が見るところの現代日本の最高峰の一人である女性歌手のアルバムに参加させていただき、「童神」という、最近では天然記念物としか言いようのないホンモノのスタンダードミュージックのオリジナルテイクのセッションに参加できたことは、僕にとっての「隠し財産」のようなモノなのであり、今回のレコーディングも、自分にとって絶対外せないモノであった。う〜ん、この気持ち、わかりますかなぁぁ。
 というワケで、1時半にスタジオに入って、6時過ぎまで休みなしでイッキに4曲レコーディング。「童神」系のバラードは難しいものではないが、「××節」系の民謡は、洋学的なコードの概念にも小節の概念にも当て嵌まらない部分が多々あって、それを洋楽の楽器たるギターでアプローチするには、まず三線のフレーズを理解した上で、その「当て嵌まらない部分」を三線フレーズを援用することで補う、という方法を、僕は取っている。つまりカタチを作るのに時間がかかるのであって、今回の4曲の中でも7割方は、この作業に費やされた。後は予想どおりスムーズに進行。これで長年の懸案が、ひとつ解決。やれやれ。計画では5月頃に発売されるそうだが、まあ、夏頃までには出るみたい、と言っておきましょう。
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1月13日(日)
 
 
府中の森芸術劇場にて、庄野真代・桑江知子ジョイントコンサート

 この内容のコンサートを最後にやったのは、もう半年も前だろうか。殆どアタマの中から詳細が消え去る寸前ぐらいの、絶妙な時期での「再演」である。予想どおり、出入りなどの記憶が消え飛んでいる中、出演者同士でアイコンタクトをとったりしながらの、なかなかスリリングな展開となったが、一応ちゃんと出来るところは、さすが、修羅場を何度もくぐり抜けているベテラン達、である。次回は夏に、というハナシもあるようだが、またスリルを味わうことになるのかしら。
 
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1200293456.jpeg 出番直前、この余裕。

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1月10日(木)
 
 
青山プラッサオンゼにて、MACO with コーコーヤ+BICライブ

 今回のツアーは、珍しく?きっちりと準備が出来たこともあって、最後まで音楽を味わいながら演奏することが出来た。音楽にもいろいろあるので、必ずしも準備を必要としないばかりか、準備をしたことでつまらなくなってしまうケースすらあり得るかもしれないが、こういう細部に至るまで繊細であったり、グルーヴの細かい流れをキッチリ認識しておかないといけない音楽の場合、準備如何によって「到達点」は著しく異なる。僕は、共演相手によっては準備のし過ぎだと言われ、別の相手によってはリハが短すぎる、と言われるのだが、何をどういうふうに「合わせる」か、という部分までの合同練習は必要だが、それがわかった後は「個人の問題」と考えている。そういう意味でも、今回のレパートリーに対する準備の在り方は、(予算を考慮すれば?)理想的でした。
 今日も、満員のお客さんを前に、このメンバーならではのものを出すことが出来たと思う。今まで知らなかったいい曲に出合わせてくれたMACOちゃんにも、感謝。今回作った形をもとに、次回は更に良いものを積み上げていきたい。
 
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1月6日(日)
 
 
神戸、ラフレアにて、かとうかなことライブ

 今日は、かなこちゃんの29回目の誕生日。出合った時はまだ彼女は25歳だったということもあって、いつまでも「何となく20代半ばのヒト」という気分でいたが、気がつけばもう30歳目前になっていたのであった。しかし、ここんとこ毎年のように若い共演者達が30の大台を越えていくなぁ。「少年老イ易ク学成リ難シ」というが、ホントに時が経つのは早いねえ。(重要な注:別にかとうかなこが老いたと言っているのではありません。)
 ところで、今日印象深かったモノのひとつは、かなこちゃんがパリのノミの市で見つけてきたという、齢90を越えるアコーディオン。「夏のワルツ」一曲での使用だったのだが、とても豊か響きを持つ楽器で、一緒に演奏していて、思慮深いおばあさんとゆったりと会話をしているような気分になったのであった。
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1月5日(土)
 
 

大阪、CHOVE CHUVAにて、MACO with コーコーヤ、ライブ

 そもそも今回の企画、神戸出身のブラジル音楽ファンの長老I氏がリオを訪れた時のMACOちゃん(も、神戸出身)との、神戸出身のミュージシャンだけでライブをやるのはどうか、という「酒飲み話」から生まれたハナシだったのである。僕に相談が来た段階で、神戸出身者「のみ」という案は「却下」。何故なら、こういう方向性の音楽をやるにあたって、MACOちゃんと僕以外に神戸出身のミュージシャンで対応可能なヒトは、神戸の西の端の方の出身の黒川紗恵子しか思い浮かばなかったので。それで、企画をちょっと修正。新たに、その3人に誰かを加える、という方向に発想を広げ、結局江藤さんを加えてコーコーヤで(東京ではパーカッションのBICも参加)、となったのである。
 リハも、取り敢えず必要なことはキッチリ済ませていたこともあり、今日の演奏は音楽を楽しむ余裕のある、納得の出来るものとなった。今回のレパートリーは、ブラジル音楽のいろんな方向性のものをバランス良く配置したモノになっているのだが、実際に順に演奏してみて、あああ、ホンマにブラジル音楽は豊かやなぁ、と、改めて思った。みんながハマってしまうのも、ムリは無いのだ。
1199700115.jpeg 神戸

1199700116.jpeg MACO

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1月4日(金)
 
 
謹賀新年

 今年もよろしくお願いします。
 既に決まっている「今年のトピックス」としては、、、コーコーヤのデビューアルバムが、夏までに出ます。3月にchieさんと、秋には小松亮太さんとのツアー仕事が決まっています。ショーロクラブでは、ARIAサントラリリース(1月)以外にも、秋までに作品集のリリースを企画中です(決まっていませんが、こういう形で言っておかないと、ずるずる先延ばしになってしまうので、一応「宣言」しておきます。)今年もマジメでしょ。
 というワケで、今日は初仕事。5日大阪CHOVE CHUVA、10日東京プラッサオンゼで行われる「MACO with コーコーヤ」のリハで、神戸の実家に4人集合。
前回リハした曲も合わせて、全ての曲の準備完了。とてもブラジールな夜になる予感。そのまま三ノ宮にて明石焼き。全員ものすごくよくしゃべった。一致団結出来たところで、5日と10日のライブ、お楽しみに。
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