2009年4月の日記:[以前の日記]
 
 
4月30日(木)
 
 
吉祥寺MANDALA2にて、照屋実穂ライブ

 僕の解釈では、照屋さんの歌は、典型的に「僕のギターに合うタイプ」である。ファーストアルバムに参加させていただいた時にそう感じたのだが、照屋さんも、是非一度一緒にやりたい、と思ってくれていた、とのこと。アルバム発売後しばらくはイベントなどのサポートをしていたが、その後ブランクがあり、今日がこのデュオの「復帰第一戦」である。時間をかけて、じっくりと再構築していきたいと思う。
 MANDALA2も、いったいいつ以来の出演だったのか。多分最後にやったのは、鈴木亜紀と秋岡先生と3人でやった時だったのではないか。それって、10年前?ぐらいかも。店の中の様子は大体覚えていたのだが、店への道筋は全く失念していた。30代までは、こういうことを失念する、ということはあり得ないことだったのだが、最近は、何でも失念する。共演者の名前すら、失念する。怪奇失念オトコ、である。

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4月29日(水)
 
 
 
吉田慶子レコーディング、最終日

 本日は、まず、いきなり残った2曲のデュオものを。その後はコーラスものを4曲録って、暗くなる前に終了。なんだかとても楽しい3日間であった。
 作り終わって聞いてみて、自分はやっぱり「ポストボサノヴァっ子」なんだなぁ、と、改めて思った。ボサノヴァ以降トロピカリアまでが、自分の中の「ブラジル成分」の中核を占めている。当時、ブラジルからの情報の伝達に要する時間が、10年以上であった、ということの表れかもしれない。いずれにせよ、ブラジル音楽においては、こういうのが一番好きかも。
 ところでこのアルバム、7月後半の発売になるのだが、何とショーロクラブの新譜と同日の発売となりそう。かつて桑江知子さんのアルバムとかとうかなこさんのアルバムという、内容的には全くつながりのない2枚のアルバムが、プロデューサーの僕のアタマの中では「姉妹盤」になっちゃった、ということがあったが、今回も、僕にとってこの2枚、「姉妹盤」ということになるのかも。レコ発関連のライブも決まりつつあるようなので、その節はよろしくお願いします。

1241194157.jpeg 左:コーラスを手伝っていただいたイーズカヒトシさん。
右:エンジニア星さん。

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4月28日(火)
 
 
吉田慶子レコーディング、二日目

 今日はヤマカミヒトミを加えたセッション。基本的に歌も含めた一発録りであることは昨日と同じで、これの出来る歌手って、実はなかなかいない。吉田さんの安定度の高さのなせるワザです。ともかくやっている曲が、ナラ好きの僕にとっては好きな曲ばかりで、1曲1曲作っていくのが、やたら楽しいのである。昨日と同様、一番最後に吉田さんとのデュオの曲を録る。これがまた集中度抜群で、もしかして僕たちウマイ人?と思ってしまうような、素晴らしいパフォーマンス。
 平塚のスタジオでやっているので、別に家からそんなに遠いワケではないのだが、特別にホテルを取ってもらっており、終了後は、ゆっくりと駅近くの飲み屋で飲食。すぐに帰って即就寝。これ、結構「天国」な日々かも。
 
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1240975199.jpeg 今日もマジメにサンバ

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4月27日(月)
 
 
 吉田慶子さんのレコーディングが始まった。今回のレコーディングのお題は「ナラ・レオン」。いいですねえ。僕は、ブラジルのポピュラー音楽の中では、ボサノヴァ運動が興ってからその後のポストボサノヴァ世代が活躍するあたりが圧倒的に好きで、その中でも、ナラは一番好きな女性歌手。彼女は、一般的にはボサノヴァの人と思われているが、実は「ポストボッサ世代ド真ん中」のアーティストなのである。
 ナラのトリビュートなので、そういう意味で、彼女のレパートリーの、同じポストボッサ世代のシコ・ブアルキを始めとした、しかしながらそれにとどまらない幅広さというのは大事なポイントなのだが、彼女自身は曲を作る人ではないので、ただそれらのレパートリーを並べるだけでなく、ナラのレコーディングのアレンジや雰囲気を「何となく」彷彿とさせるということも大事で、「ナラ好き」の僕にとっては、これらも楽しい作業である。
 吉田さんは、僕の考えるところ、日本で最もデリケートな歌を歌うボサノヴァシンガーであり、日本人がナラをやるのに、これ以上うってつけの人はいないであろう。今回のレコーディングでは、(というか、吉田さんのアルバムはいつもそうだけど)ともかくシンプルに、余計な音を入れないで、というのが、あって、どこまでエッセンシヴにサウンドを作れるか、が出来の分かれ目になる。
 というワケで、普段サンバをサンバらしくやることの無い岡部洋一も、スルド、タンタン、タンボリン、ガンザ、という、「サンバ楽器」全開でやってもらっている。メンバーは、今日は岡部と僕だけ。明日、それにフルートでヒットミーが加わるだけ、なので、基本のキに立ち返るしかないのである。取り敢えず初日は、順調に終了。
1240884754.jpeg まじめにサンバ

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4月19日(日)
 
 

福島、カサデサカにて、吉田慶子さんとリハ

 月末のレコーディングに向けて、福島に立ち寄ってのリハ。「場所はカサデサカにお願いしました」という連絡を受けた時は、うれしかったなぁ。当ダイアリーでも何度かご紹介したと思うが、ここは山の中の「会員制スペイン料理レストラン兼メガネ屋さん」という、不思議な所。文章ではいくら説明してもし切れないのだが、東京で普段活動しているモノにとっては、ある種の「異次元空間」のような、別の時間が流れている場所である。
 今日も、山羊の出迎えを受け、ブタ、犬、子供、猫、猫の仔、そしてもちろんスペイン料理の歓待を受け、6時間近くの滞在のうちリハをやったのは1時間のみ、という、何をしに行ったかわからんような、それでいてほっこりとした充実感が残る一日でありました。

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4月18日(土)
 
 
白石市、白石城天守閣にてMiltoniana2009に出演

 今回のイベントを主催したカフェミルトンは、開店15年目をこの5月に迎える。EPOさんと僕は、開店間もないこのお店で、記念すべき第一回目のライブをやらせていただいた。その後、このお店は「知る人ぞ知る」店となり、実に沢山のアーティストがここでライブをやるようになった。ここでライブをやる人同士の、ちょっと風変わりな「連帯感」のようなものも育ちつつある。
 この日の天守閣でのライブの出演者達も、下地勇君は、僕がミルトンに連れて行った大島保克さんが連れてきた新良幸人さんが連れてきた(ややこしい)そうだし、桑山哲也君は、大昔、東京で大島さんと3人でライブをやった時に見に来てくれていたミルトンママとの出会いがもとでミルトンに通うようになったという事実もある。先月岩手でEPOさんと3人で仕事をした時に、白石でも一緒にやろう、と、相談していたのであった。EPOセットにゲスト参加してくださった沢知恵さんには、実は少し前に「EPOさんのセットに飛び入り参加したいのだけど・・、昔からのファンで・・。」という相談を受けていて、それをEPOさんに伝えたら凄く喜んで・・、という経緯があった。渡辺亮君も、EPOさんと一緒に行ったのが最初だったのかな。当然演奏も、そういう条件が整っていればこうなります、というような、全員の「気」が一本に通った、滅多に無い内容になったと思う。
 終了後の打ち上げも、そういうワケで、「複合同窓会」みたいな様相を呈した。どのテーブルも知り合いだらけ。下地君の宮古島直伝の「おとおり」もあったし、久しぶりに大島さんの「今日もお酒が飲めるのは♪」も聞けた。気がつけば4時。最後まで時間の過ぎるのを忘れてしゃべっていた記憶があるのだが、こういうのは、今の僕の体力ではありえないなぁ、と思っていたところ、やっぱり家に帰ってから風邪でダウンしてしまいました。 

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4月12日(日)
 
 
名古屋、Cafe Dufiにて、コーコーヤライブ

昨日と合わせて二日連続の愛知県内でのライブ。どちらも盛況で、一安心。皆さま、お世話になりました。演奏内容も、去年の「Antique」リリース(あるいは、一昨年の、そのレコーディング)以来、いろいろな場所でのライブ、あるいは企画モノレコーディングの参加やサントラ制作など、様々な経験を積んできたことが、正直に「力」となっていることを実感出来るモノとなったと思ったんですが、いかがだっしたでしょうか。
 結成当初から中部東海地方は特にご縁がある所でもあり、今後も力を入れてやらせていただきたいと思っています。次は半年後ぐらいかな?またよろしくお願いします。

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4月11日(土)
 
 
コーコーヤで、一宮、「尾州工房 手しごと日和」の1周年記念のライブ。

 8日のダイアリーで「11月以来のライブ」と書いたが、あ、1月にレコ発ライブやったの忘れてた。(三上さん、お世話になったのにすいませんでした。)というワケで、1月以来のライブだったのだが、リストランテ・パラディーゾの音楽を担当したおかげで、イッキにオリジナルが増え、どうしようか、という状態になってきた。同じサントラ作品でも、ショーロクラブのサントラ作品とオリジナルアルバムの作品の間には結構大きな「段差」があって、ショーロクラブ単独のライブでは余りサントラ作品を積極的にご披露する流れにはならないのだが、コーコーヤのサントラ作品には、コーコーヤサウンドの性質のせいか、そういう「段差」は余り見あたらず、今後とも演奏することになりそうな作品が、結構ありそうである。「儲けた」という気がしなくもない、
 さて、今日は「尾州工房 手しごと日和」の1周年記念のライブ。こちらは織物や染め物などの、一般人の方達による工房で、(という理解でいいのか、ちょと不安)実は、ここのメンバーである、我々の関係者のお母様からのご紹介で実現したライブなのであった。文字通り「老若男女」集う、工場跡を利用したゆったりと時間の流れる空間での、初夏の午後のライブ。なんだかのどかな気分のうちに終了。
 終了した時点でまだ日も高く、時間の余裕タップリの中、一度ホテルに戻ってから、バイーア料理のレストラン「サルバドール」に繰り出し、実に久々に「爆食モード」にスイッチ・オン。これでもかと言うほど食って太っ腹になってタクシーで帰り。食べた量とタクシーの値段に、爆死。

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1239506448.jpeg エロ。

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4月10日(金)
 
 
ショーロクラブ新譜トラックダウン

 少し前まではアナログレコーディングということに拘りながらレコーディングをしてきた我々であったが、ついにアナログレコーディングに対応するスタジオというものが、ほぼ絶滅してしまい、この作品からは、完全デジタルレコーディングとなった。もちろんデジタルレコーディングといっても、演奏方法が変わるワケでもないし、このグループにとっては、カラダを使って楽器を鳴らすことこそが「音楽」なのだが、デジタル化したおかげで、いろいろな作業がラクになったことは否めない事実でもある。
 TD(トラックダウン=録った音のバランスや音質を決めてサウンドを完成させる作業)作業も、今まではスタジオで数日かけて、1曲1曲エンジニアが作るサウンドの形について皆で議論しながら進めていったのだが、今回はエンジニアHさんが家でカタチを作ってそれをネットでメンバー間で遣り取りして意見交換。今日スタジオに集まった段階では、既に基本のカタチは出来ていて、その内容を実際にスタジオのスピーカーで確認しつつ、ネットでの遣り取りの中で整理した結論の出ていない問題点を解決していく、といった、とても効率のいい作業に終始した。
 というワケで、完成です。ショーロクラブ名義のアルバムとしては22枚目、純然たる「作品集」としては10枚目のアルバム。良いスタッフに恵まれて、良い作品になったと思います。7月発売。
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4月8日(水)
 
 
15年目にして知る真実
 
 吉祥寺にて、コーコーヤのリハ。去年の11月?を機に一時活動を休み、今年に入ってからはテレビアニメ「リストレンテ・パラディーゾ」の音楽制作に明け暮れていたコーコーヤだが、11日の尾張一宮でのライブから、また活動を再開する。リスパラの制作をやったおかげで、いっきにオリジナルナンバーも増えた。まだ詳細はお知らせできないのだが、いろいろなイベント出演などの企画もあるので、今年もひとつよろしくお願いします。

 終了後、同じ吉祥寺にて、EPOさんの参加する企画モノレコーディングのためのリハ。どう考えてもEPOさんとはマッチしない某有名シンガーソングライターの作品集の中の1曲なのだが、これをEPOチームが同料理するか、ちょっと面白そうである。
 終了後、EPOさんの側のプロデューサーの、通称「大女王(おおおんなおうと呼ぶらしい)」Sさん、宮川さん、今回のアルバムのプロデューサーで、たまたま旧知の間柄でもあったMさんと食事。

 その席で、15年前にSさんがプロデュースしたEPOさんのアルバム「VOICE OF OOPARTS」のことが話題になった。あれは、梅雨時の那覇市内のスタジオでデモ音源を録るということで、短時間に6曲だか7曲だかをデュオで録ったのが、内容が良かったので、そのままベーストラックになってしまった・・、と僕は信じていた。当HPのディスコグラフィの解説にも「・・・そのままベーストラックに使用したという、想い出深い作品です。本土より一足早い梅雨の雨の中レコーディングしたその「しっとり感」みたいなものが、そのままサウンドの端々に流れて・・・」と、僕にしては珍しく詩情溢れる文章をよせている。
 で、今日も思い出深いそのハナシをしたところが、「ササゴさん、まだそんなこと信じてたのぉ?」と、Sさん。何と、僕が硬くなり勝ちなので、僕には「デモ録り」だとダマして演奏をさせていたのであって、実は初めからホンチャンとして私用するつもりだったのだとか。だ、だまされたっ、クヤシイ・・・。と思っても、後の祭り。15年ぶりに知る、この苦い真実。

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4月5日(日)
 
 
那覇、Dset cafe にて、比屋定篤子ライブ
 
 出産を控え、最後のライブ、ということだが、流石にもう3人目ともなると余裕もあるようで、今年中には復帰したいと思っています、とのこと。まあ、頼もしい、というべきか。いずれにせよ、余りブランクを感じることなく、また比屋定さんの歌を聞けることになりそう。
 今日も、、出来たばかりの新曲を、リハの時にその場でコードを採ってアレンジをしてやってみたりしたのだが、その曲も含め、どの曲も、力まず自然な、良い出来になったと思う。出産前最後のライブとして、上出来であったろう。リッパな子供を「スッポン!」と産んで、元気で帰ってくることを祈りたい。


1239101221.jpeg 本日のテビチ。タイ風焼きテビチ。

1239101222.jpeg 復帰後はウクレレ漫談なども。

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4月4日(土)
 
 
那覇・桜坂劇場にてEPO,宮川雅彦さんの「ミュージック&ドラマ」出演

 最後に沖縄に来たのはいつだったか、いずれにせよ数ヶ月前だったのだが、随分長くご無沙汰していた気分である。この十数年、平均すれば2ヶ月か3ヶ月に一回は必ず沖縄に来ていたワケで、東京で活動しているミュージシャンとしては、極めて珍しい存在だろう。いや、有り難いことです。今年も、決定ではないが、既に数度の沖縄でのライブの企画が立ち上がってきており、その中には、3年ぶりのショーロクラブの沖縄ライブの計画もある。
 で、今日の「ミュージック&ドラマ」であるが、これは俳優の宮川雅彦さんの朗読と EPOさんの歌を中心とした、一種のクロスオーヴァーなパフォーマンス。数年前から二人で歌と朗読のコラボレーションをしている、というハナシは聞いており、僕も参加するような通常のライブの中でも、宮川さんに特別参加していただいて、サワリ程度のことをやることは屡々あった。僕としても、今回初めてフルセットを体験する、ということで、出演者の一人であったにもかかわらず、「お客気分」無くもナシ、なのであった。本日も、自分の演奏でもとてもリラックス出来たし、普段はそういうことをしないのだが、出番の無い前半部分から、客席に座ってパフォーマンスを楽しませてもらった。 
 言葉とのコラボレーションというのは、ねじめ正一さんや黛まどかさんの参加された「詩のボクシング」というのに何故か音楽で参加したのが初めてで、最近では、谷川俊太郎さんの朗読のバックをさせていただいたことがあったが、この人達は「作者」のプロではあるが、演技者としてのプロではない。宮川さんは手練れの演技者であって、時々部分的に共演する時も、いつもその迫力に圧倒される。

1239100966.jpeg 本日のテビチ。

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