2009年9月の日記:[以前の日記]
 
 
9月30日(水)
 
 
六本木STBにて、桑江知子さん30周年記念コンサート

 9/14当ダイアリーにて「ササゴさん、ハーレム状態」と桑江さんに言われた、件のコンサートである。その時「僕は楽屋がもらえないかも」と予言したのであったが、やっぱりもらえなかった。小部屋が二つと、大部屋がひとつのSTB楽屋において、普通に考えれば、小部屋にそれぞれ桑江さん、古謝美佐子さんと佐原一哉さんご夫妻、大部屋には鬼武みゆきさんと弦カルの女子諸君が入るだろう。僕の居場所は、男子便所ぐらいしか無い。
 で、結局行き場の無い僕を、親切な古謝さんが拾ってくださり、古謝さんの部屋で、開演までゆんたく(=おしゃべり)を。今日もまた「ぬちまーす」(=8/21ダイアリー参照)で、たっぷり洗脳されたのであった。

 本番の方は、やはり30周年の貫禄?と言うべきか、桑江さんの「積み重ねてきたモノ」が、自然な感じで見えてくる、とても充実したコンサートになったと思う。ゲストで舞台に上がられた弘兼憲史さんが、桑江さんのことを「業界一性格のイイ人」と言っていたけど、本当にそうなんですよ。「人徳」という言葉がこれほど当て嵌まる人も珍しいっ。(30周年お祝いで、少しおおげさに言っているワケではありません。・・・。)
 それから、今日の「裏テーマ」は、鬼武さんアレンジの弦カル。全体にとても素晴らしいパフォーマンスだったが、アンコールで桑江さんと弦カルだけでやった「月下美人」は、アレンジ・演奏ともに、特に素晴らしいものであった。それらに引き替え、今日の僕は、楽屋でもステージでも「添え物」程度のヒトでした。
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1254378183.jpeg まあ、こんなもんよ。

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9月27日(日)
 
 
横浜みなとみらいにて、かとうかなことローランドのイベント出演

 大きなオープンスペースでのイベントって、昔はもっとあったなあ、と思いつつ。今日のものは、電子楽器メーカーのローランドの楽器教室の発表会兼デモンストレーション、というカンジ。何故ローランドかと言うと、ローランドが開発している電子アコーディオン「Vアコーディオン」というモノのデモンストレーションにかなこちゃんが関わっているからなのであって、それについての経緯は、大分前の当ダイアリーでお知らせしたのだが、どっかいっちまって出てこない。
 午後と夕方に一回ずつの30分程の演奏で、現場初顔合わせのドラマー・MASAKingさんとのセッションも無難にこなし、大変ラクに終了。そのままかなこちゃん、マネージャーIさんとともに中華街に突入。
1254141391.jpeg ホンモノのアコーディオンとは、いろいろ違うところがあるらしい。

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9月25日(金)
 
 
和歌山市内のホテルにて、EPOさんのディナーショー

 和歌山は、実に久しぶり。10年程前までは定期的に通っていたのだが、ここのところはご無沙汰なのであった。当時お世話になっていた皆さんも多く来ていただいていて、終演後のロビーでは、積もるハナシに花が咲いたのあった。

 で、一転、打ち上げ参加メンバーは、出演者のみ。どこに入ろうかと繁華街をウロウロして、迷ったあげくに、かつての名大関のシコ名を冠したちゃんこのお店Wに入ることに。これが大当たりで、魚関係から最後に出てきたちゃんこ鍋まで、出て来るモノ全てが大変美味なのであった。それにしても、EPOさんと動いていて、こういうことでハズレることは滅多にない。彼女の、日頃のなんらかの事柄についての心がけが、よっぽどいいのではなかろうか。
1253956410.jpeg 「パンダ列車」。

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9月19日(土)
 
 
マリンメッセで行われた「福岡アジアマンス20周年コンサート」にて、aminのサポート。

 昨日の夜中に福岡到着。皆でいけないいけないと言いつつ、モツ鍋、ゴマ鯖、豚足など食い、深夜に至る。本日は、午前中に会場入りしてサウンドチェック、昼食(これがまた極悪に美味い鉄火丼で)を挟んで別スタジオにてリハーサル。一度ホテルに帰ってゆっくりしてから、暗くなった頃に再び会場入り。

 出演は、奄美の中孝介君、韓国のRYUさんにaminという、とてもアジアな3人。amin隊のメンバーは、マンドリン&ギターの有田純弘さんと、ヴァイオリンの江藤有希。この編成のサウンドは繊細な音作りが必要で、マリンメッセのような大きな会場での雑雑としたイベントにはあまり向いていないとも言えるのだが、他の出演者も「軽量」なサウンドであったせいもあり、なんとか特性を活かすことが出来た。
 
 最近、このような「軽量サウンド」が増えてきたように思う。裏返して言えば、音量でごまかすような音楽が少しは減ってきたような気がするワケだが、それは、音楽の「エッセンス」に、より目がいきやすい音環境のものが増えたということであって、軽音楽全般にとって歓迎すべきことであろう。単に景気が悪くて予算が出ないだけなのかもしれないが。

 終了後、メンバーでホテル近くの炉端焼きへ。食い物に関する限り、福岡のレヴェルは全国一二を争うと思う。今まで食べ物屋に入ってガッカリしたことが殆ど無いが、今日も美味しい魚介類をいただき、満足する。ホテルに戻る途中に、何故かブラジル屋さんがあり、もう帰ろうよぉ、と言っているのに、プロデューサーのゴンザレス鈴木さんが突入。ちょうどミュージシャン達がライブを終えた後で、有田さんと一緒に再び無理矢理セッションモードへ。なんだかとっちらかったような盛りだくさんなような、わけのわからない一日が、更にずるずると続いたのであった。
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9月16日(水)
 
 
福島、マジーノアールにて、吉田慶子デュオ

 昨日のライブで、「二人でやる流れ」について、大凡のところは理解出来、自信も出来た。今日からあとは、一回一回が「応用問題」である。

 マジノアールは、ついこの前ショーロクラブでやったばかりで、場所慣れしている上に、音響を担当してくれたのが、「depois da banda passar」のエンジニアを務めてくれていたHさんだったこともあり、よけいなことに神経を使う必要が無かったおかげで、「自分の調子」に向き合いながら演奏することが出来た。

 で、その「自分の調子」なのだが、今月3日から、殆ど休み無く仕事が続いているせいか、結構指の筋肉が硬直したカンジになってきてしまっている。今日は、その硬直に対処する必要があっただけでなく、吉田さんとの「0.1ミリ」勝負の音楽の緊張感などもあり、それやこれやで、結構内面的には「てんやわんや」な夜だったのであった。
 
 しかし同時に、吉田さんとは「言わずともワカル」部分を多く共有しているということも、改めて実感。今後のレパートリーについても、いろいろ話し合っており、この先も楽しみが続く。「趣味と修行」の一致した、珍しい仕事かも。
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9月15日(火)
 
 
宮城、カフェミルトンにて、吉田慶子とデュオ

 吉田さんと二人だけでのライブは、これが初めて。表現上の、最もデリケートな部分の変化で聞かせる、という、紙一重の内容になることが予想され、それは会場の音響の状況などにも強く左右されることがわかっているだけに、実は結構緊張しつつの白石入りであった。

 もう少し詳しく言うと、お互いの「目盛り0.1」の変化のキャッチボールによって集中度を高めていく、という展開になるはずの組合わせなので、そのことが、自分たち自身にもお客さんにもちゃんと伝わるような音響環境が必要なのである。そして、吉田さんは普段は自らギターを弾き、一人でパフォーマンスすることが可能なワケで、せっかく僕が入るからには、それとはまた違う展開であることも要求されるであろう、という、また別の難しさもある。つまり、この組合わせについては、結構カクゴを決めて臨まねばならなかったのであった。

 結果は、PA担当のHさんにも随分助けられ、我々の「キャッチボール」は、お客さんに、ちゃんと伝わったのではなかったかと思う。やれやれ、ヨカッタヨカッタ。これから明日の福島を始め、盛岡、沖縄などをまわることになるのだが、このカンジだと、それぞれの会場の音響担当さんとの「真剣勝負」、という側面も出てきそう。各地の担当者の皆さん、ひとつよろしくお願いします・・。
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9月14日(月)
 
 
三鷹のスタジオにて、9/30桑江知子CD発売記念ライブのリハ

 今回の「売り」は、古謝美佐子さんのゲスト参加だけではない。鬼武みゆきさんアレンジによる弦カルの参加も、大きな見所。てなことは何も考えずにスタジオに行って、ふと気づいてみたら、スタジオは女性だらけ。「オス」は僕一人。
「…な〜んと笹さまったら、ハーレム状態じゃあございませんかあ。しかも、弦カルテットの女性4人は、若くてピチピチ美人揃い♪ ライブ当日は、美佐子ねーねーも登場するし、おまけに私のマネージャーも女性でっす!楽屋が楽しみさあ。可愛がってあげますよん」(桑江さんのダイアリーより)
 若いピチピチ弦カル隊から「妙齢」のお姉様方まで、美女達に囲まれて演奏出来る私は、まことにシアワセモノでございます。(実際には、楽屋の一番小さい部屋から一歩も出られない状況と予想される。いやいや、部屋をもらえない可能性すら。ナンマンダブ。)
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9月13日(日)
 
 
浜松、都田JOSHにて、ショーロクラブツアー三日目

 豊橋から都田まで、ありがたくも、豊橋のHさんに車で送っていただく。浜松でいつも主題していただいているOさんは、常に異色な会場を探してきてくれるのだが、今日は個人宅をそのまま会場にさせていただく、という荒技。ウッドデッキの素敵な、ログハウス風のお宅である。とは言え、ご家族に海外で活躍されているチェリストがおられ、帰国中には、ここで無料コンサートをよくやっているとのことで、小スホールとしても十分機能する、素晴らしいスペース。
 好天の夕方、ノーマイク完全生音で、のんびりと演奏をさせていただき、あとはこの屋のご主人Sさん主催のバーベキューパーティーへ。メニューの貼り出しまである本格的なBBQで、今回の3連チャンを打ち上げ。
1252893370.jpeg お昼ご飯は、Hさんに、大変上品でおっされーな空間のレストランに連れて行っていただきました。

1252893371.jpeg 量も上品でおっされーでした。
途方に暮れる沢田穣治さん。
ごちそうさまでした。

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9月12日(土)
 
 
豊橋、HOUSE OF CRAZY にて、ショーロクラブツアー二日目

 こちらで地元の皆さんに主催していただくライブは、コーコーヤに続いて二度目。もともとご縁の無かった土地で、毎度多くのお客さんに来ていただいて演奏出来ることは、素直に大変嬉しい。
 演奏の方は、細かく言えば、日々の調子というものはあるが、そういう細かいコンディションを越えた安定感が今のショーロクラブにあるナ、ということを、今日も実感。毎日のように自画自賛で申し訳ないが、まー、いい時期にさしかかっている、ということと理解していただければ。このグループは、恐らく2000年過ぎのソニー時代にひとつのピークを持ったのではないか、という実感があるのだが、今回は、もう少し深い部分での手応えも感じている。そろそろ死期が近いのかしら。
1252774350.jpeg オープニングアクトのsapato novo。いきなりブラジルのド田舎に連れて行かれたぞ。

1252774351.jpeg ゼジさん、ごくろうさんでした。

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9月11日(金)
 
 
名古屋・得三にて、ショーロクラブライブ

 今日から名古屋〜豊橋〜浜松ツアーである。初日は、「勝手知ったる」得三。演奏しつつ、最後にこのステージに立ったのはいつだっけ?と考えてみたら、3月の「植木等メモリアル」だった。NUUの歌に、ギター一本でバックをつけて「スーダラ節」やらをやったワケだけど、ありゃ、本当に大変でした。ああいう、本来管楽器を中心とした大編成のサウンドで出来ている音楽をギター一本でやる、というのは、相当ベラボーなことなんである。それはそれで、とても楽しかったけどね。

 で、今日。ショーロクラブは、目黒パーシモンでのレコ発に至るまでずっとライブを続けてきたワケだが、恐らく短期間のライブの本数の密度、という意味では、この3ヶ月は「グループ史上最高」に仕事をしてきたと思う。今日は、その成果を感じることの出来る内容になった。細かい所に気を遣う必要も無く、集中しながらリラックスして演奏する、という、ある種「理想」な形の演奏になったと思う。楽曲の演奏経験さえ行き届けば、ショーロクラブの音楽は、弦楽器にとって全く無理のない、本当に居心地の良いアンサンブルなのだ、ということを、改めて感じることの出来た夜であった。
 
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9月9日(水)
 
 
青山、プラッサオンゼにて、コーコーヤのライブ

 去年の夏に「antique」を出して以来、あちこちで多くのライブをこなし、今年に入ってからも、ゴンザレス三上さんをお招きしてのレコ発、「リストランテ・パラディーゾ」のサントラ制作、いくつかのイベント出演、と、常に「出勤態勢」だったコーコーヤだが、ここ2ヶ月ほどはショーロクラブのレコ発などもあってライブもお休み。今日は「久しぶり」の「出動」である。

 実は一昨日に会ってざっとリハをしたのだが、いやー、人間、こんなに簡単に忘れるものか、という程に、大変なことになっていた。音楽が成立しないのである。今更なハナシではあるが、ショーロクラブ中心に音楽をやってきた2ヶ月というのは、自分にとってショーロクラブ的表現の影響をモロに受ける2ヶ月であって、それは他のセットでの演奏にも、結構微妙に反映されていることも実感した。

 で、昨日一日かけて「トリートメント」した上での今日のライブとなったのだが、全体として、これまでのいろいろなことが少し「リセット」されたカンジになっていたように思う。昨夏以来のヒトカタマリの流れから、ちょっと一歩離れて客観的になれた、というか、決して「絶好調」ではなかったけれど、冷静に演奏に対処出来るよ、という姿勢が自然に出ていた。

 これはつまり「成長」したということなんだろう。まわりくどい自画自賛なおはなしですが、そういう一日でした。
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9月6日(日)
 
 
aminでイベント出演

 怒濤の3日間を何とかしのいで、今日に「辿り着いた」カンジ。3日間の内容にはとても満足出来たので、ヨシとしよう。
 今日は、某団体のイベントの中のアトラクションとしての、aminさんのミニコンサート。「ミニ」といっても、デュオでやるのは初めて、という曲が殆どで、ここのところの時間の無さのためにリハも十分でなく、今日も集中力に頼らざるを得ない状況だったが、aminさんの「癒し系」キャラのおかげもあり、何とかしのぎ、やっと、本当に一段落。
 あああ、しんどかったぁぁぁ。ともかく音楽のことを考えずに、1日ぐらい過ごしたいっ。
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9月5日(土)
 
 
目黒パーシモンホールにて、ショーロクラブライブ

 朝の新幹線で新横浜経由、目黒パーシモンホールへ。大事なレコ発の前に、また全然別種の大事なライブが重なり、なかなかハードな状況だが、こういう日々が続くことにシアワセも感じてしまうというのは、僕も相当ワーカホリックになってしまったのかも。
 楽屋に入れば、既にオジサン達によるぐだぐだとした「楽屋談義」真っ盛り。ショーロクラブ楽屋においては、沢田穣治を中心に、メンバー全員良くしゃべりよく笑う。ネタは下品の極み。おまけに個人の悪口タップリで、人間性が疑われる。一分に一度ぐらい「爆笑」の声が響く、ステージ上とは似ても似つかぬ状況が、楽屋にはあるのだ。今日もそんなカンジで、出演直前まで、音楽とは全く関係ないハナシでガハハと盛り上がり、直前の緊張感皆無の中、本番へ。
 で、今日の演奏は・・・・。満足でした。久しぶりに多くのゲストに囲まれての演奏はとても楽しかったし、心配の余り取り乱して?いた観客動員についても、フタを開けてみれば、まずまずな按配。疲労の極致だったので、1時間半のステージ二回を、最後まで集中力を持続して務めることが出来るかも心配だったのだが、人間、なんとかなる、ということも、改めて実感。そして、改めて、ご協力、ご心配いただいた皆様(スタッフ、来ていただいたり動員に協力していただいた共演者の皆さん、そしてもちろんお客様も)に感謝。ありがとうございました。
 これ以降、今回のレコ発は「第二段階」へ。本格的に地方をまわることになります。手始めは、週末の名古屋ー豊橋ー浜松。皆様、引き続き、よろしくお願いします。
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1252333973.jpeg おやじ部屋

1252333974.jpeg アコースティックギターマガジンの撮影があるから、と聞いていたのだが、僕じゃなくてギターの方だった。

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9月4日(金)
 
 
ビルボードライブ大坂にて、EPO/AQUA NOME ライブ

 ビルボードやブルーノートは、一晩二回しなので、一回の公演時間はだいたい70分、ということになっている。この「70分」というのが、なかなか微妙な長さなのでして・・。例えば、ショーロクラブのような、一曲の中の情報量が密で、しかも曲が大体において短い音楽なら、70分は、そうとう使いでがある「70分」なのだが、EPOさんのように、歌ものでインプロなども結構あり、しかもしゃべりたいことは山ほど、というタイプには、少し短い。しかも、サービス精神では人後に落ちないEPOさんである。結局今日は二回とも1時間半を越すパフォーマンスとなった。お客さんは大満足されたのではないかと思うが、お店の人はお客さんの入れ替えとか、結構大変だったのではないか。
 我々も存分に演奏を楽しむことが出来たが、二回目が終われば既に11時を過ぎていて、さすがにどっと疲れが出た。ともかく明日が明日なので、一刻も早くホテルに戻って寝なきゃ、ということで、札幌で昼公演のある嵯峨さんと、飲む気満々な他メンバーを残して退出。
 
その「明日」とは、もちろん9/5ショーロクラブの目黒パーシモンのコンサートでありますっ。当日券、ふんだんにありますっ。14時から会場で販売するそうですが、時間ぎりぎりに来ていただいても、鉄板で入れますっ。まだ間に合うっ。何とラッキーなことでしょうかっっっっ。
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9月3日(木)
 
 
青山プラッサオンゼにて、吉田慶子レコ発ライブ

 春にプロデュースさせていただいた吉田慶子「depois da banda passar」のCD発売記念ライブを、レコーディングメンバーと同じ岡部洋一、ヤマカミヒトミを加えて。CD収録曲だけでなく、かつて吉田さんのライブにショーロクラブでゲスト参加した時にやった「saudade mata a gente」を始め、初めての曲も数曲。

 ご存知?のとおり、吉田さんは「地上でいちばん小さい声」の歌手。パーカッションを入れてライブをやったことがない、というハナシだったが、楽器がいろいろ入って来ると、そのデリケートな声は、かき消されてしまうのだ。今日の岡部は、きっと普段の何十分の一の音量で仕事をしたはずで、ご苦労さん、であった。

 ちょうどお店のテレビモニターでは、ブラジルで行われた、ギタリストのオスカル・カストロ・ネヴィスのアレンジによるらしきボサノバのフェスの模様が延々流されていたが、そのサウンドも、歌手達のパフォーマンスも、直線的な「主張」に貫かれた、大変脂っこいものだった。基本的に、ブラジル音楽のパフォーマンスの「主流」とは、こういうものだろう。ボサノヴァだって、ジョアン・ジルベルトが始めた時は、もっとデリケートなものだったと思うのだが、少なくともそのフェスで見る限り、ジョアン的なデリカシーを持ったパフォーマンスは見あたらなかった。

 吉田さんのパフォーマンスは、そういう意味で、全く「ブラジル的」ではない。「アンコールなんかしちゃってもいいんでしょうか・・」などと真顔でつぶやく彼女のパフォーマンスは、徹頭徹尾「引き」の美学に貫かれている。パフォーマンスだけでなく、例えば福島の奥地(あーいやいや、原町の皆さんゴメンナサイ)を活動の拠点に定めていて、東京でヒトハタなどと考えもしない、ように見えるがごとく、多分生き方そのものが、ゴリゴリしていないように見える。そういう彼女の音楽を、僕は勝手に「侘びさび音楽」と呼んでいる。
 
 そのような彼女の音楽は、例えて言えば、「ブラジルの建材や大工道具を使って建物を建てたら、古錆びた神社が出来ちゃった」というようなモノだと思う。リズムもメロディもハーモニーも大変ブラジル的なのに、あーら不思議、その世界の本質は、大変「和もの」なのである。別にその種のデリカシーが日本人の専売特許だというワケでもなかろうが、例えば先述のジョアンやカエターノ・ヴェローゾという、日本で最も人気の高いブラジルの二大歌手が、揃ってブラジルでは少数派に思える「引きの美学」を備えた人達であることは、偶然では無いと思う。

 えー、さて、大事なお知らせ。5日のパーシモンホール、ショーロクラブのコンサート、まだチケットあります。それも沢山!!行かないとソンします。しつこく書きます。当日まで。来てくで〜。
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9月2日(水)
 
 
9月5日、ショーロクラブレコ発コンサート@目黒パーシモンホール、まだ空席があります。
今のところ前売りとしては、

チケットぴあ Tel.0570-02-9999 [Pコード:325-935]
・・・9/2いっぱいまで
めぐろパーシモンホール Tel.03-5701-2904
・・・9/4まで(対面販売のみ)

ということですが、当日券も十分出ると思われますので、
ご都合のつかれた方、当日に直接会場にお越しくださっても大丈夫と思います。
宜しくお願いします。

祝!結成20周年
ショーロクラブ コンサート “Trilogia”
【日にち】 2009年9月5日(土)
【場 所】 めぐろパーシモンホール/小ホール
http://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/kumin_campus/persimmon/index.html
【時 間】 @ 15:00開場/15:30開演
      A 18:00開場/18:30開演 (入れ替え制/2回公演)
【料 金】 前売り ¥4,500 / 当日 ¥5,000(全席指定/税込み)
【ゲスト】 柏木広樹 (cello) 佐藤芳明 (accordion) ヤマカミヒトミ (flute)
   岡部洋一 (percussion)
※未就学児童入場不可
【お問い合わせ】 DISK GARAGE 03-5436-9600 (weekday 12:00-19:00)

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