2012年2月の日記:[以前の日記]
 
 
2月29日(水)
 
 
再び船のお仕事

 前回のクルーズ船のお仕事の続きである。僕が東京に帰ってジョアン・リラや照屋さんとライブをやっている間に、あのお船は八重山などの離島を回って、そしてまた那覇に戻ってきた。今回のクルーズは、那覇から屋久島、鹿児島を経由して、博多までの3泊4日の旅。

 昨日は大荒れのお天気であったが、今日は、青空広がる「クルーズ日和」。とは言え、前回のクルーズの、一番揺れた時よりも、今日の方が揺れている。しかしながら、クルーの方々は、「今日は穏やか」だそうで、もっと揺れることを、覚悟しないといけないらしい。ただ、船の揺れというものは、慣れるもので、初日を乗り切れば、結構何とかなりそうである。というか、何とかなることを祈りつつ、ただ波の揺れに身を任せている他仕様がない。皆さん、僕が今回のクルーズでもゲロ吐かないように、祈っててください。

 と言っても、実は、今日、先ほど今回のショーは終えてしまったので、残り二泊三日は、ただ旅を楽しんでいればいい、という状況。船酔いと食べ過ぎと運動不足に気をつけつつ、あとはボーゼンと暮らすのである。
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1330533191.jpeg 誰もいない、深夜の廊下・・。

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2月28日(火)
 
 
那覇Celloにて、比屋定篤子さんとデュオ

 年末にリウボウホールでやって以来の比屋定さんとのデュオ。今年は、いろいろ比屋定さんにとっては「勝負」のトシになりそうだが、おかげさまで、幸先良く、たくさんのお客様に来ていただくことが出来た。
 
 比屋定さんはデビュー15年だそうで、チラシにもあったとおり、それはそのまま比屋定さんと僕との「デュオ歴」の年数とも一致する。当ダイアリーでも何度も言っているとおり、結局コンビネーションというものは「場数」がモノを言うワケで、比屋定さんとのデュオも、数え切れないぐらいの「場数」を分できたことが、今に生きていると思う。

 今日はカフェでのライブだったわけだが、比屋定さんは本来そういう方向性の場で生きるはずの人だったのであり、特に沖縄において「そういう方向性」の歌手として飛び抜けた存在であっていいはずに人なのであって、「マーケット開拓」を怠ってきた感は否めない。今日Celloでやらせていただいて、改めてそう感じましたよ。2012年は、比屋定さんの「逆襲」のトシとしたいねえ。
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2月22日(水)
 
 
中目黒楽屋にて、ジョアン・リラのセッション

 何年ぶりかの、純度100%ブラジル音楽な一夜。バイシャリーア(=ショーロ独特の低音弦によるベースライン)弾きまくりは、もしかしたら10年ぶりぐらいだったかも。今日一日で、過去数年分ぐらいバイシャリーアやったよ。親指の爪が、一日で半分ぐらいすり減った。

 見に来てくれた人達は感じたと思うが、ジョアンのギターの音圧、すごいですね。全然力入れて弾いてないのに、デカくて柔らかい音がバ〜ンと出て来る。あれ、ブラジル人がみんなそうだ、と言うワケではなく、僕が今まで見た中では、ハファエル・ハベーロ、ヤマンドゥ、ジョアン・ジ・アキーノなどが、こういう音の出せるタイプだった。アルゼンチンのファンホ・ドミンゲスとかも、同じ類でした。

 思うのですが、彼等は、ちょっとカラダのデキが違うのではないか。腱だかスジだか、そういうものから既に、ちょっと構造だか成分だかが違うのではないか。ともかく、彼の音とバランスを取ろうとすると、こちらはもの凄く必死になって弾かないといけない。オープニングアクトのリオさんとのデュオの時の演奏の音量の(あれが、最近の僕の方向性なのだが)、10倍ぐらいの音量を出さないとやってられない状況でした。
 
 ということはともかく、この日のショー、内容はショーロ半分、ノルデスチ半分、というところだったが、僕は90年代の初め頃に、ノルデスチのギターアプローチについて、随分ジョアンに教わったり参考にさせてもらったりしていたので、久しぶりだったけど、当時を思い出しつつ、気持ち良く演奏することが出来た。ショーロも、全然やってなかったけど、あっという間にカンを取り戻せた。

 一瞬にして十数年前に引き戻されたような、フシギなひとときだったが、毛穴全開、おまけに開いた毛穴から何かがドバドバまけ出て、マッシロに干からびて終わった一日でした。
1330186152.jpeg 左から、熊本尚美、ジョアン、わし、秋岡先生、石川智。写ってないけど、井上信平さんが2曲飛び入り出演。

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2月19日(日)
 
 
中目黒楽屋にて、照屋実穂さんの対バンライブ

 自分の中では、随分きっちり「調整」して臨んだつもりのライブだったのだが、なんだか落ち着かない出だしになってしまい、「チャンネル」を合わせるのに、結構苦労をするハメとなってしまった。準備と結果が釣り合わないのは、何とも情けないことだが、かように自己コントロールつは難しいものなのであって・・。最終的には帳尻は合わせることが出来たけれど、いくつになっても、なかなかちゃんと出来ないのは、残念だなぁ・・。

 今日の対バンは、ボサノヴァ弾き語りの臼田道成さんと、トロンボーン&ピアノの池田雅明さんのデュオ。臼田さんとは初めてお会いするのだが、リオ滞在経験も長く、またファンハウスの同窓生であることも発覚。楽屋話が盛り上がりました。

 ここのところ月一で続けて来た照屋さんとのライブ、これでしばらくお休みで、再開は6月の予定。照屋さんも、この半年ほどで、徐々に調子を上げてきているので、次に会った時が、楽しみ。
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2月18日(土)
 
 
22日のジョアン・リラ、ライブのリハーサル

 ジョアン・リラも、すっかり日本ではお馴染みのギタリストになった。慶賀すべきことである。前にもご紹介したことがあると思うが、ブラジル北東部の複雑なグルーヴを、ガットギターで表現することにかけては、ブラジルナンバー・ワンの人。もちろんそれだけでなく、ショーロからジャズ的なものまで、何でもこなす才人でもある。

 今回は、里帰り中のリオ在住ショーロ・フルート奏者の熊本尚美さんが、せっかくジョアンと同時に日本にいるのだから何かやりましょうとジョアンに提案して、ジョアンがそのためのメンバーとして声をかけたメンツによる、スペシャル?セッション。

 僕は、ジョアンとは80年代からのおともだちで、僕が困った時にはお金を貸してくれることになってる程の仲である。(と、かつてジョアンは僕に言った。)今日は久しぶりに本格的にブラジル一直線のリハであったが、言葉もブラジル音楽の作法も、あっという間に「思い出した」カンジ。当日は毛穴全開のセッションになりそう。

 ちなみに、オープニングアクトとして出演する、楽屋レーベルからCDを出されているリオさんという女性歌手のバックも、急遽デュオで務めることになった。まだ音源を聞いただけだけど、なかなかいい歌を歌われる方です。こちらも楽しみ。


日時 2月22日(今度の水曜日です)
        開場 6:00   開演 1st.  7:30〜   2nd. 9:00〜
場所 中目黒『楽屋』らくや
   http://rakuya.asia/index.shtml

ギター     笹子重治 
パンドリン   秋岡 欧 
フルート    熊本尚美 
パーカッション 石川 智 
ギター  ジョアン リラ 

前売り 4500円 当日5000円 
お席に限りがあります。どうぞご予約を早めにお済ませくださいますよう、ご案内申し上げます。
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2月15日(水)
 
 
お船のお仕事2


 インターネットは、お金を払えば24時間繋がる(結構お高いです)のだが、繋がる場所は、広い船内の中の、ごく限られたエリアだけ。今回乗った船では、図書室と、上の方の階のラウンジの二カ所。で、昼頃に一回、深夜、寝る前に一回の計二回、メールチェックと送信のためにそこに行くのだが、特に深夜、誰もいない図書室やラウンジというのは、なかなかに薄気味悪いもので、凡そあらゆる種類の怪談を、いっぺんに思い出す程である。波でいつも揺れているせいか原因不明の音鳴りも多く、全然落ち着いて仕事が出来ないのである。

 今回は3泊という短い船旅なのだが、「ドレスコード」というものがあって、自室内以外では、ジーンズ不可、トレーナーやTシャツ不可。つまり、襟のあるシャツ、スラックス、ジャケット、あたりが必需品。日によっては、ネクタイ着用指定、みたいな日もある。ところが、ご存知のように、僕はそのどれも、殆ど持ってないのであった。。なので、直前にユニクロに行って、安いジャケットとスラックスを購入。家に帰って着てみたら、なんだか「七五三」のような姿に。しょうがないので、その「七五三ルック」のまま、クルーズを過ごしました。

 本日は、奄美大島に寄港。今まで来たことのない、本島南部の古仁屋港への上陸だったので、桑江さん、鬼武さん、マネージャーIさんと4人で、連絡船で加計呂麻島へ。奄美大島自体、観光地としてはマイナー(だからいいんだけど)な上に、南部は、更に地味な場所だったが、静かで豊かな自然に恵まれた、美しい土地だった。安脚場戦跡公園、という所に行ったのだが、なかなかの「絶景」でした。
 お話し好きなレンタカー屋のおばぁの件やら、どうやら加計呂麻名物は「オムライス」と「焼きそば」らしき件やら、短い滞在時間に、いろいろ面白いことに遭遇して、夕方、帰船。
1329447051.jpeg 「不倫カップルのよう」と言われる。

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2月14日(火)
 
 
お船のお仕事

 今回、クルーズ船に乗るに当たって、一番心配していた船酔いについて。

 外洋クルーズともなると、当然嵐のひとつやふたつには遭遇する可能性を覚悟せねばならない。甚だしい時は、波が5メートル以上にもなるそうで、それは、不規則に動くエレベーターに乗り続けているのと同様な状況だ。その中で演奏したり食べたり寝たりせなばならないワケで、それはタマッタもんじゃないっすよ。 今回のクルーズでは、今のところ、だが、大した揺れには遭遇していない。とは言え、船内のプールを覗いてみれば、結構大きな波が、ざっぱんざっぱんとたゆたっていた。

 しかしながら、椅子に座ってられない程の揺れでも、演奏はせねばならない。そのために、こんな豪華な所に、お客様と一緒に泊めていただいているのだから。なので、船酔いは、力づくでも阻止しないといけない。なので、船では毎食後に飲む酔い止めの薬を配っているが、どうしてもダメな時のために、注射の用意もあるそうだ。

 しかし、それらの薬は、同時に眠気も呼ぶのであって、僕は今回、毎朝、普段常備している酔い止めを少し多めに飲んでいるのだが、そのせいか、ともかく眠い。毎食後寝て、リハのあとにも寝て、寝る前にも寝る。薬のせいだけでなく、船の揺れが、更に微妙に眠気を呼ぶようである。

 ついでに言えば、妙にお腹が減る。これも揺れに関係あるのかどうかわからないが、朝食、昼食、夕食の、それぞれの間にお腹が空く。従って、船の中では、食べることと寝ることしかしていない。食べて寝て、食べて寝て、食べて寝て、の繰り返しをしているように思う・・・・。

 というハナシはさておき、ちゃんと仕事もしている。本日は、三泊四日のクルーズのうちの、唯一の「稼働日」。船であることを除けば、高級ホテルのようなものに泊まって、ホテル主催のショーをやりに来ている、ということなのであって、久しぶりに上海で作った毛沢東スーツを着て、ちゃんと仕事もやりました。
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2月13日(月)
 
 
海と船

 これから、某クルーズ船に乗船する。国内や海外に向けての豪華客船の仕事、というのは、我々音楽をやる者達にとっては、しばしば経験する仕事なのだが、僕は、大昔に、名古屋→東京という、一晩だけのクルーズを経験したことが一度、夕方に出て夕食が終わったら戻ってくる「東京湾一周クルーズ」というものを一ヶ月ほどやったことがあるだけで、本格的な外洋クルーズは、今回が初めて、である。船酔いからドレスチェックまで、心配事を数え出せばキリが無いカンジだが、まー、もう乗っちゃったんで、しょうがない。それでは、数日の船旅、楽しんで来ます。
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2月12日(日)
 
 
富士市のイベント会場にて、鈴木重子with コーコーヤ、ディナーショー

 去年秋からの重子さんとコーコーヤのコラボは、今年もいろいろと展開があある予定。今回は、その、今年一回目の仕事ということになるのだが、やっぱり随分にろんなことが練れてきていて、自由度も上がっているカンジ。

 会場のメゾン・ド・アニヴェセルは、新幹線新富士駅から真っ直ぐ富士山に向かって上っていった所にある、結婚式やその他人生の「フシ目」のためのイベント会場。富士山が手を伸ばせば届きそうな所に見えていて、思わず散歩に出て、富士山に向かってそのまま歩いていってしまったのだが、アタリマエなことながら、富士山はいくら歩いて行っても近づいて来ないのであった。
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2月11日(土)
 
 
吉田慶子さんと、目黒パーシモンホールにて、デュオコンサート

 1月から、静岡、名古屋、大阪、姫路と、ツアーをしてきて、今日がその「結果」を出すべき日であった。このホールの響きの良さ、PAの良さとも相まって、「仕上げ」に相応しい内容になったと思う。吉田さんとは、もう3年近く一緒にやっているが、深いところに行く「方法」を、今回の五つのライブで、ほぼ掴めたと思う。
 彼女のコンサートは、音楽だけでなく、相撲に関する様々の楽しみ方?のお話しなど、お役に立つ情報も満載。その上、打ち上げでは、テレビのニュースショーにおける男女関係の綾の問題など、更に深いお話しを聞くことが出来た。今後、徐々にライブでも「お話し」があるものと思う。引き続き、お楽しみに。次のライブは、4/25プラッサオンゼです。
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2月10日(金)
 
 
数年来の懸案事項であった、プロデュースを頼まれていたプライベートレコーディングが、今日やっと実現。プライベートと言っても、下写真の強力な皆さんとの作業なので、結果は推して知るべし。
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2月9日(木)
 
 
上間綾乃さんのレコーディング、ショーロクラブで参加

 沢田穣治アレンジによる沖縄民謡をレコーディング。現場の代々木のスタジオは、アン・サリーさんに初めてレコーディングでお会いした所でもあり、初対面の歌手と、いきなりレコーディングで音を合わせることの新繊さを、今日も改めて感じることが出来た。(5月発売予定とか。)

 今日は、そのままプロモーション用の映像の撮影もあり、レコーディングしたばかりの音源を聞きつつ、アテ振りを。随分音と映像がかけ離れていたような気もするけど、まあ、どこかで見かけたら、「マチガイ探し」でもして楽しんでいただければ・・。
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2月6日(月)
 
 
神戸にてkiss FM「TOOTHTOOTH SOLEIL」収録。

 いつもライブでお世話になっているカフェフィッシュの系列のカフェレストランを舞台にした設定のラジオ番組に出演。収録も、実際に、開店前のTOOTHTOOTHの店舗で行われた。

 番組の幕開けに本物の店員さんが実際に席に来て「いらっしゃいませ、パティスリーTOOTHTOOTH三ノ宮店へ・・」と言うと、僕が「今日のオススメは何ですか・・」と返す。もう苦手一直線の展開。しかし、そして出て来た美味なるケーキとお茶も、もちろん本当にいただけるワケで、何だかいいような悪いような、悪いようないいような・・・・。

 その後、神戸のお気に入りの場所について一人語りして、3/7に迫った「コーコーヤfeat.鈴木重子」(神戸グッケンハイム邸、問:078-220-3924)コンサートについての告知をさせていただき、最後に僕がフランス語で一言ささやいて終わる、という、聞きたい人はとても聞きたいのではないかと思われる展開のうち、終了。ON AIRは、2/25朝9時からのkiss FM上記番組の中の予定。
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1328550836.jpeg これ、言わされましてん。

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2月5日(日)
 
 
姫路 ハンモックカフェにて、吉田慶子さんとデュオライブ

 時々噂を聞くハンモックカフェに「初上陸」。いや〜、いい所。何時間もいて、のんびりしたい場所でした。食べ物もとっても美味しいし、近くにこういう場所がある人は、羨ましいですね。吉田さんも随分ツボに嵌った模様で、私、姫路に引っ越そうかしら、などと、ご無体なことを。

ライブは、大げさだけど、この4回の「集大成」なカンジ。僕個人としても、このデュオに関して何か「わかった」部分があったと、実感出来るようなことが、沢山あった。あとはオレが上手くなればいいだけ、というところ。気持ちの良いライブを企画していただき、Nさんご夫妻とお客様に感謝。そして、今回の二人のライブの「カタマリ」は、11日目黒パーシモンホールを残すのみとなった。まだお席、あるようですよ。
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1328550707.jpeg ,楽屋がヨットの船室

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2月4日(土)
 
 
大阪 CHOVE CHUVAにて、吉田慶子さんとデュオライブ

 年末コーコーヤ以来のCHOVE CHUVA。吉田さんに至っては、CHOVE CHUVA(というか、関西)は8年前に来て以来、とのこと。流石は出不精の吉田さんだけのことはある。

 今回のツアーでは、吉田さんを初めて見る方々が多かったと思うが、僕らの音楽的な「思い」について、真摯に、真っ直ぐに聞いていただけた、という実感を、日々重ねることが出来た。これは、もっとあちこちでやらねば、と思う。デュオを初めて3年ほどだが、もう一回り大きく、活動を広げる時が来たのである。(と言って、吉田さんにプレッシャーを与える。だって、シリ、重いんだもん。)
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