2012年12月の日記:[以前の日記]
 
 
12月28日(金)
 
 
那覇・リウボウホールにて、比屋定篤子ライブ

 昨日は、極寒の東京から気温24度Cの那覇へ。ホテルにチェックインだけして、スタジオに直行。TROPICALISMのおふたり(宮田まことさん、ドン久保田さん)との初顔合わせ&比屋定さんを交えてのリハを。比屋定さんと「バンド」でやるのは、本当に久しぶりのことだ。

 これまで、ピアノの鬼武みゆきさんやトロンボーンの村田陽一君、近いところではTOKUさんなどと「3人でやる」というスタイルは時々やってきたが、それらは3人の独立したパフォーマーによるコラボなのであって、「バンド」というのとは違う。今回は、宮田さんのパーカッション&ギター、久保田さんのベースを交えての、ちゃんと「バンド」な編成。やはりデュオでやるのとはサウンドの「立ち上がり感」が違う。本来比屋定さんの音楽はバンドでやるべき性質のものであって、それを敢えてギターとのデュオでやるところに、「スリル」があるのであるが、ちゃんとバンドでやることで、よりわかりやすい見せ方ができる。この編成、今後も「アリ」と思う。


  この3年間、毎年、このリウボウホールにて、比屋定さんとともに1年の仕事納めを行ってきた。ずいぶんウマイはなしです。今回は、「あなたといっしょに15年」と題して、比屋定さんのデビュー15年をテーマにしたコンサート。「あなた」とは、もちろん比屋定さんを支持し続けてくださった皆様のことであるが、同時に比屋定さんと僕のコラボも、15年を越えたのであって、これだけの間、ずっと一緒に音を出し続けることでしか達成できないコンビネーションの力を、特に最近はものすごく感じる。言いたかないが(って、つまり、言いたいんだけど)、誰にも負けないです。
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12月23日(日)
 
 
G&G presents X'mas Special Live
桑江知子 with 笹子重治 <月詠み旅 vol.53>in 神戸

 神戸のスナックバーからの熱烈ラブコール(だったらしい)におこたえしての出演。どんな場所だろう、と、おっかなびっくり行ってみたら、市役所からトラバーユしたマスターが睡眠時間を削ってがんばっている、いいカンジのお店だった。桑江さんとの「月詠み旅」も久しぶりだったが、ラクに気持ちよく演奏することができた。クリスマス時期を故郷神戸で過ごすのも、何十年ぶりのこと。この日にブッキングされたこの仕事自体が、僕にとっての嬉しい「クリスマスプレゼント」だったかも。主催者、桑江さんに感謝。
1356411138.jpeg うってかわって、本日は炭水化物攻撃。

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12月22日(土)
 
 
砺波市文化会館にて、大島花子さんとデュオ

 黒部から車移動で砺波に。本日の会場は、砺波市文化会館。富山県は「平成の大合併」以来、多くの自治体が合併したため、元来一自治体に一つの文化施設があったのが、今やひとつの自治体に複数の施設を抱える状況となり、限られた予算の中で、運営に苦労している、というようなニュアンスのお話を伺った。しかし、今日のコンサートのために「宣伝カー」まで動員していただいているのには、さすがにビックリ。僕の名前が宣伝カーで街中を巡ったのは、史上初のことであったであろう。ご苦労様でした。

 コンサートに関しては、今日のお客様はアラフィフ中心?だったかな。昨日同様、熱心に聞いていただき、落ち着いて演奏することが出来た。今年は自分の演奏スタイルを少しずつ動かす試みをしているのだが、この2日は、その「成果」を、自分なりに確認することが出来た2日でもあった。素晴らしい2日間をご用意いただいた関係者とお客様に、感謝。
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本日も、引き続きまして・・・

1356223215.jpeg 刺身が美味過ぎて死ぬ

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12月21日(金)
 
 
富山県、黒部市国際文化センター コラーレにて、大島花子さんとデュオコンサート


 通算3度目のコラーレ出演は、大島花子さんとのデュオ。自治体の小ホールのイベントでは、多くの場合、お客さんの年齢層が高くなる傾向があるが、今日はまた極端に、アラフォーならぬ「アラ還」の女性のお客様率が高いようにお見受けした。

 このお年頃の女性のお客様は、素直で衒いの無い方が多い。実は、僕にとっては、一番「やり易い客層」でもある。表情豊かに熱心に聞いてくださり、つまらない冗談にも笑ってくださる。

 同時に、大島さんにとっては、お父様の坂本九さんのファンでもあった世代で、「どこに行っても親戚のおばちゃんに迎えていただける」みたいな気分もある模様。

 いつも自分より若い世代の前で歌い慣れている人たちにはとまどいを感じる客層かもしれないが、いろいろな世代、音楽志向を持った人々の前で演奏してきた経験からすると、案外この世代が、一番音楽といい関係を持っている世代なのではないか、と思えることもある。
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1356156503.jpeg これでもかっ。

1356156504.jpeg これでもかっ!

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の、打ち上げでした。

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12月20日(木)
 
 
リハという名の飲み会2

 今日は、鈴木重子さん、吉田慶子さんとの、年明け12日の浜松でのライブのリハを、自宅にて。鈴木さんとは、誰かを交えてのリハの時は、しばしばウチでリハをして、そのあと、鈴木さんが腕をふるって料理を作ってくださる、という流れが定着している。先日の「公理」に従えば、本日も「リハ」というよりは「飲み会」だったかもなぁ。
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12月19日(水)
 
 
世田谷、cafe muriwuiにて吉田慶子さんとデュオ

 今年最後の都内ライブは、吉田さんとのデュオ。クリスマス前、ということで、クリスマスの歌を4曲やった。クリスマスの曲というのは、このシーズンしかやらないワケであって、いつも絶妙に忘れている。

 そのうちブラジルのクリスマス曲としては、定番(曲自体、全然知らなかった)「boas festas」と「borboleta」(全然クリスマスのカンジがしない、と言ったら、吉田さんは、もの凄くクリスマスを感じる、と応答)、ジョアン・ジルベルトの歌った「presente de natal」(ジョアンの歌った曲をカヴァーする人は多いが、殆どカヴァーされていない曲ではないか。何故かと思って詳細に聞いてみたら、これ、相当変なメロディー進行の曲だった)。

 僕は、かつてブラジルでクリスマスシーズンを過ごしたこともあったはずなのだが、ブラジルのクリスマスについての思い出が、全く抜け落ちている。初めてブラジルに着いて1ヶ月に満たない時期だったので、あまりに日々のことが濃過ぎて、「毎日がクリスマス」みたいな精神状態だったからではないかと思う。

 というようなこととは無関係に、今宵もライブとして、とても気持ちよく演奏できた。muriwuiのスペースは、生楽器にとっては、なかなかシックリ感の高い場所。久しぶりのこの場での演奏だったが、大変満足して、一杯飲んで帰宅。
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1356064317.jpeg 眺めが良いです。

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12月18日(火)
 
 
リハという名の飲み会1

 桑江知子さん宅にて、23日神戸ライブのリハと、来年の活動についての相談、という名目の、飲み会。リハだったか飲み会だったかは、どちらがより長時間に渡り、より「時間を短く感じた」か、を考えると、「飲み会」と答えるのが妥当なような気が。桑江さん、スタッフ I さんにお友達も加わった宴会は、桑江さんウデにヨリをかけて揃えてくださった酒食の中、博多弁が飛び交い、「東京じゃない感」満載のひととき。
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12月15日(土)
 
 
浅草橋ルーサイトギャラリーにおける「おうち」展に、NUUと出演、その2
 
 まったく私事だが、前回の「おうち」の次の日から3日間、引っ越しをしていて、クタビレ果てた上に、ギターはおろか、音楽全般に、心身ともに、一切触らなかった。それでも全然問題なく出来るのは「おうち」だからかな。

 ここでのライブは、何せ「おうち」でやるのだから、当然ノーPA。マイクの位置にしばられることなく、大変気が楽である。また「今出ている音が出ている音の全て」というのは、すべての音を自分でコントロールできる、という点で、大変満足度が高い。ただしこのことは、「自分が出している音がちゃんと観客に届いている」という、自分の中での「確信」の裏打ちがある時だけに限る。ざわざわした環境だったり、音響がデッドで自分の出している音が前に飛んで行かないような感覚があるような場所では、例えてみれば「大声で怒鳴らないと音が届かない」気分になる。そういう場所では「生音ライブ」は不可です。
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12月11日(火)
 
 
浅草橋ルーサイトギャラリーにおける「おうち、」展に、NUUと出演、その1

「おうち、」展は、いろいろなジャンルのアーティストの作品を、家にあるような気楽さで見てもらおう、というような発想で始まった、グループ展である(と思う。)今年で8年目、多岐に渡るジャンルで活動するアーティスト達が、その作品を持ち寄っている。その中で、我々は「歌」を持ち込みました、ということなワケです。

 NUUとこのイベントに参加したのは、2度目。前回は「わけもわからず」という気分なきにしもあらず、であったが、今回はいろいろわかっていたので、「要するにイエに居るつもりでやればいいのだな」と思って、大変気楽に構え、実際、大変気楽なライブにすることが出来た。NUUさんなんか、途中で寝転んでましたもんね。

ちなみに、下記写真は、出展している写真家、入江英樹さんによる「家族写真」サンプル。相方は入江さんの奥さんのイラストレーター、フクダカヨさんとお嬢さん。いかが。
1355672681.jpeg ヨソにも家庭を作ってしまった気分。

1355672682.jpeg こちらが入江さんとフクダさんご夫婦。ホンモノの迫力。

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12月9日(日)
 
 
石垣島にてオフ

 ご縁あって、石垣二中マーチングバンド、八重山高校のカラーガード部の、全国大会出場壮行会を見学に行く。殆どの方はそういうものを見たことが無いと思うが、今や、その世界は凄いことになっていて、「ダンサーとラッパと太鼓とハタが入り乱れた一大スペクタクル」なカンジ。ちなみに「カラーガード」というのは、その「スペクタクル」のうちの、旗やライフルも持って新体操みたいな団体演技をする部門が独立したもの。
 中学も高校も、もの凄くレベルが高く、応援出場した小学生のレベルも、信じられない程で、人口数万の石垣島からこういうレベルの子供達がワラワラ出てくる、という「文化力」の強さに、改めて驚かされる。
1355146010.jpeg ヘタなプロの出し物より、ぜんぜん凄い

1355146011.jpeg ある人は、薔薇の香りがすると言う

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12月8日(土)
 
 
石垣島、ジャズバーすけあくろにて、EPOライブ

 八重山の冬は寒い、とは、よく聞く言葉だが、確かに「暖かくはない」。日照があれば20度ぐらいにはすぐ行くそうだが、あいにく滞在中はずっと天気もすぐれず、そうなると、強めの季節風に体温を持って行かれるカンジで、実際の気温以上に、体が冷える。Tシャツにトレーナーだけでは、昼でも寒く感じる瞬間もあった。という寒さの中、せっかく久しぶりの八重山なので、連絡船に乗って竹富島へ。2時間ぐらいの短い散歩を楽しんで戻ってきた。

 すけあくろのライブも、もう何度もやって場所に慣れきっている上に開演時間も遅く(だいたい8時半過ぎ)、いつも、もの凄くノンビリした気持ちで臨むことが出来る。昨日とは打って変わって「ダウンタウン普段やってないヴァージョン」で始まったライブは、ちょっとラフに、カジュアル気分満タンのうちに進行、気がつけばとっくに日付も変わって、例によって請福八重泉白百合の乱れ飛ぶ宴会へ。
1355145879.jpeg 八重山の冬は地味

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1355145881.jpeg 生還された方と

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12月7日(金)
 
 
石垣島、八重山j中央教会にて、EPOライブ

 数年前まで、旅に出ればともかくどん欲に「食」を求め、相当無理をしても何とかなっていたものだが、さすがにここ2年ぐらい、前日根性を入れて食べると、次の日はもうダメになってしまう、ということが続いている。沖縄や石垣に来ても、食べたいものはいろいろあるのだが、体がついてこない。かつては「爆食大魔王」などと呼ばわれていた時期もあったが、もはや実態が伴わない。この称号は、今も「肉」とともに生きる某先生に「奉還」したい。

 というワケで、昨夜のダメージですっかり重くなったからだをひきずって、八重山教会へ。今日のライブは伝統ある八重山中央教会新築完成の「こけら落とし」(というのか?)コンサートである。教会とEPOさんの曲とは、相性がいい。だいたい宗教施設というのは「お説教」やお祈りを聞かせる場なのであって、音響にすぐれた場所が多い。しかしそれだけでなく、EPOさんの曲の歌詞の世界が、「祈り」の方向を向いていることが、何だかこういう場所との相性の良さを醸し出していると感じる。

 てなこと言いつつ、終了後はイトシのテビチ屋Mヘ。言っていることと行いが、全然一致しない。
1355145775.jpeg あれです。

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1355145777.jpeg やめられまへん。

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12月6日(木)
 
 

石垣島移動。

 明日7日と明後日8日、石垣島でEPOさんのライブ。EPOさんのライブはナニも心配することが無いので、「飲み食い」のことしか考えてませ〜ん。あと、時間があったら西表島に久しぶりに行きたいナ、などと。

 ちなみに、僕の、都内での今年のライブについてお問い合わせをいただきましたが、11日、15日にNUUさんと「おうち」ライブ(NUUさんとは、東京では久しぶりですね)、19日に祖師谷大蔵の「ムリウイ」にて吉田慶子さんと投げ銭ライブ、でオワリです。(それぞれ詳細は、スケジュール欄にてご確認を。)何だか今年もあっと言う間に終わってしまった・・・。まだ終わってないけど・・・。
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12月3日(月)
 
 

六本木STBニて、遊佐未森 & 鈴木重子 〜 Sing-a-ring Forest 〜。

 大阪で初演を終えて、今回は更に数曲を加えての、「第二回目」。佐藤芳明君と一緒にサポート。東京近辺在住のお二人のコンサートだけあって、「ホーム感」漂う、更に楽しいコンサートとなった。

 今回、僕にとってひときわ印象的だったことは、2001年発表のショーロクラブのアルバム「Maritima」に収録されている「Noel」という曲に、未森さんが歌詞をつけてくださり、それに更に重子さんが苦労してハモリをつけてくださって、初演することが出来たこと。

 この曲は、『Maritima』に収録すべき作品をひねり出していた時に、ふと思いついた曲なのだが、自分で「なんだかクリスマスの曲っぽいなあ」と思い、「何だかクリスマスの曲のようです」とメッセージを添えて、ストリングスアレンジをお願いしたジャキス・モレレンバウムさんに送ったところ、アレンジ譜にそのまま「クリスマスの歌」とポル語で書いてあった、という、思い出のある曲。最終的に曲名も、そのものズバリ「Noel」としたのだが、そうしてしまったら、ただでもライブの少ないショーロクラブなのに12月しか演奏できなくなり、おまけにアルバム「Maritima」は廃盤になってしまい、ちょっと不運な運命をたどっているように思われた。

 実はこの曲はもともと高い声で歌われるイメージで作った曲で、その意味でも、未森さんの声で主旋律が歌われるのは、大変イメージに合った。未森さんも、「最初に旋律を聞いた時から、空から雪が舞落ちるイメージを強く抱いた」とおっしゃっていて、曲にとって本当に「幸運な出会い」だったと思う。そんな未森さんに歌詞をつけていただき、重子さんとお二人に歌っていただいたことだけでも嬉しいことなのだが、その上、「ものすごくヨカッタ」。これは、是非録音に残したい。関係者の皆様、いい「クリスマスCD企画」あったら、声かけてください〜。
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12月1日(土)
 
 
原宿クエストホールにて、EPO,AQUANOMEコンサート。

 最近は、1年に一回ぐらいのペースが更に落ちて、3年ぶり?ぐらいのライブになったこのユニットだが、その音楽のスケールの雄大さにおいては、既に「別次元突入」の感がある。もう、恐らく世界中のどんな舞台に出してもOKだと思う。

 今回は、ピアノにウォン・ウィンツァンさんを加え、更にパーカッション&ヴォイスに佐藤正治君を加え、更にサウンドが分厚くなった。編成は結構「ごった煮」状態だが、一人一人に明確な「役割」があるので、「重複感」は無い。お互いの「境界線上の棲み分け」についても、今回は十分にリハを重ねたので、クリアだった。

 唯一問題があったとすれば、EPOさんをはじめとするメンバーの「イレコミすぎ」の危険性、という点ぐらい。今回は50人のヴォイスボランティアの方々が本番で初めて合流するワケで、その声がユニットのサウンドに混ざった時に、僕ら自身がどんな気持ちになるか、想像できなかった。

 実際に、本番前のリハ1曲目から、EPOさんは感動して泣き出すし、コレ本番ダイジョーブカシラ、と、正直、思わないでもなかった。ところが、本番の初めの方で、1曲コケて途中からやり直す曲があり、そこで、全員がクールダウンできた(と思う)。あとは、長いコンサートの後半にかけてキッチリピークを作ることが出来、結果的にも、とても成功したライブとなった。

 どのくらい成功だったかということについて、今回ヴォイスボランティアで参加した、音楽家志望の某我が縁者の感想を、最後に本人に無断でご紹介したい。「びっくりしたのが、帰りのバスで音楽聴こうと思ったら普通のポップスがつまらなく感じてしまったこと」。そうじゃろそうじゃろ。
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